ターミナルで、ひとり会社を回す。使うほど安くなる。
kokuban は、ターミナルで話しかける AI のチームです。Slack で優秀な同僚と話すように、チャットで頼み、相談し、決めます。仕事はチームが進めます。繰り返す仕事はプログラムに書き換えられていくので、同じ仕事を回すたびに AI を使う量が減っていきます。
あなたの PC で、すでに持っている AI ツール(今は Claude Code)で動きます。ログインの情報は PC から出ません。
curl -fsSL https://kokuban.sh/install | sh状態:初期の段階です。macOS と Linux に対応しています。Windows はベータです(Windows では WSL2 をおすすめします)。
kokuban の特徴
- 使うほど安くなる。 初回は AI が仕事をし、kokuban がそのやり方を記録します。毎回同じだとわかった手順は、AI を使わないプログラム(規則・スクリプト・API の呼び出し・ブラウザ操作のやり直し)に置き換える案として届きます。ワークフローごとに、使ったトークンと、AI がまだ担当している割合が見えます。
- トークンのフードロスが無い。 人と仕事ごとに、必要な道具だけを渡し、足りなければ途中で足します。道具はコマンドとして呼ぶので、説明書で文脈が埋まりません。「何か新しいことはあるか」と時間ごとに AI を起こすこともしません。見張るのはプログラムで、AI を起こすのは仕事があるときだけです。
- ベンチマークと、その測り方。 同じ仕事・同じモデルで、ほかのツールと比べます。1 回目と 10 回目の違いも比べます(準備中です。公開するときは測り方も一緒に公開します)。
- 追加の費用をかけずに始められる。 すでに契約している AI のサブスクリプションか、API キーで動きます。役割ごとにモデルを選べます。
- ターミナルのチャット。 打つだけで進みます。自宅の PC で動かしておけば、どこからでも SSH で同じチームと話せます。
- 軽い。 Rust の単一バイナリです。古い PC や小さな PC でも動きます。
- ローカル・1 人用・安全。
- データも鍵も PC から出ません。外から受け付ける口もありません(下で説明します)。
- AI は鍵を見られません。鍵は、外に出る途中で窓口が付けます。
- 利用状況を送る仕組み(テレメトリ)はありません。
- ほかの人が作った道具(手元で動く MCP サーバー)も、箱の中で動かします。
ログインの情報は PC から出ません。「あなたとして操作できる」こと自体は、kokuban だけの特徴ではありません(クラウドのエージェントも、あなたとして push できます)。違いは、鍵が PC から出ないことです。
外から受け付けるのではなく、外につなぎに行く
外に口を開けると、「外からは届かない」という守りと矛盾します。そこで kokuban は、外からは何も受け付けず、自分からつなぎに行って受け取ります。
- Slack:ソケットモード(kokuban の側からつなぐ)。
- メール:IMAP で、こちらからつなぐ。
- GitHub・Stripe など:ときどき API を見に行きます。変わったものだけを聞く(ETag)ので、何も無ければ数えられません。
- Webhook には、あえて対応していません。
使うほど安くなる仕組み
- 初回は AI が手順をこなします。kokuban は、渡したもの・使った道具・答えを記録します。
- 手順の答えが入力だけで決まるとき(同じような入力に、いつも同じように答えたとき)、Optimizer がその手順のプログラムを書き、過去の実行で試してから、節約できる量と一緒に受信箱に届けます。
- プログラムに置き換えた手順は、新人から始まります。最初の何回かは、あなたが結果を確かめます。入力や出力がいつもと違うとき、やり直すページが変わっていたときは、自分で AI に戻ります。
- 台帳(
kokuban ledger)で、ワークフローごとのトークン・キャッシュから読んだ割合・推移・AI が担当した割合・プログラムで減った量が見えます。
もとにしている研究:
- Progressive Crystallization(2026):手順を「AI → AI とプログラム → プログラムだけ」と段階を上げます。本番で 8 か月使い、プログラムが担う割合が 0 から約 45% に増え、1 件あたりの費用が 70% 超下がりました。https://arxiv.org/abs/2607.07052
- SIGIL(2026):出力が入力だけで決まる手順は、プログラムの担当にします。決められた手順を実際に行った割合が 56% から 86% に上がりました。https://arxiv.org/html/2607.27309v1
- ASI(2025):作った関数で実際にやり直して解けたものだけを残します。WebArena の成功率が 32.7% から 40.4% に上がりました。https://arxiv.org/html/2504.06821v2
- Stagehand・Skyvern:うまくいった操作をやり直し、ページが同じか確かめ、違えば AI に戻します(「間違った近道は、遅い正攻法より悪い」)。https://browserbase.com/blog/stagehand-caching ・ https://skyvern.com/docs/developers/features/code-caching
- Agent Skills(Anthropic):スクリプトのコードは文脈に入らず、出力だけが入ります。https://platform.claude.com/docs/en/agents-and-tools/agent-skills/overview
守りの仕組み
守りは、AI の判断(分類器やプロンプト)に頼りません。そうした守りの多くは、手を変えて攻められると破られるからです。kokuban は、動かし方そのもので守ります。守りは 4 つの層でできています。
flowchart TB
outside["メール・issue・Web ページ・Slack<br/>(外から来た文章)"]
subgraph L1["1 · 何を読むか"]
reader["読む役:外の文章を読み、道具を持たず、<br/>決まった形の要約だけを書く"]
doer["動く役:要約だけを見て、<br/>道具を使う"]
end
subgraph L2["2 · 何ができるか"]
box["AI はそれぞれ箱の中:<br/>自分のフォルダと、要る相手だけ"]
gateway["鍵を持つのは窓口だけ。<br/>初めての宛先は、あなたの承認を待つ"]
end
subgraph L3["3 · 自分をどう変えられるか"]
drafts["定義と記憶は、あなたが承認した案でだけ変わる。<br/>変更はすべて git に残る"]
end
subgraph L4["4 · いつ聞かれるか"]
trust["手順と手順のあいだ:新人は確かめ、<br/>信頼した手順は任せる"]
end
outside --> reader --> doer --> box --> gateway
doer -.-> drafts
gateway -.-> trust
- 何を読むか。 黒板に書かれたものには、すべて出どころが付きます(あなた・kokuban・派生・外部(メール・issue・Web・Slack))。外の文章を読む AI は道具を持たず、決まった形の要約だけを書きます。道具を持つ AI は、その要約だけを読みます(Meta の Rule of Two)。ほかのエージェントが書いたものは、命令ではなくデータとして扱います。
- 何ができるか。 AI ツールは、すべて箱の中で動きます(macOS は Seatbelt、Linux は bubblewrap)。書けるのは自分のフォルダだけで、届くのはその仕事の種類に要る相手だけです。
~/.ssh・~/.aws・OS の金庫・kokuban の保管場所は読めません。鍵を持つのは窓口だけです。初めての宛先への送信は、あなたの承認を待ちます。強制 push・タグ・GitHub での削除は決してしません。コードの作業は、リポジトリの写しの中のkokuban/…のブランチで行います。 - 自分をどう変えられるか。 定義と記憶は、あなたが承認した案でだけ変わります。変更はすべて git に記録するので、巻き戻せます。承認は中身のハッシュに結び付けます。ほかの PC から届いた変更には PC ごとの印鑑(署名)が付き、知らない印鑑のものは、あなたが確かめるまで外部として扱います。
- いつ聞かれるか。 1 つの手順の中では、kokuban は確認を足しません。手順と手順のあいだは、人のチームと同じです。新しい手順の出力はあなたが確かめ、信頼した手順は任せます。
箱が使えない PC では、kokuban はそのことを伝え、AI の手順を 1 段厳しく確かめます。
サービスをつなぐ
どのサービスも、ターミナルで kokuban connect からつなぎます。鍵は、あなたのアカウントで自分で作ります。kokuban はどこにも自分のアプリを登録せず、鍵はあなたの PC から出ません。
- GitHubissue を読んでコメントする、プルリクエストを作る、コードの作業を push する
- Slackメッセージを送る・読む。Slack から kokuban の人たちと話せる
- Gmailメールを読む・返す・仕分ける
- Email (IMAP and SMTP)どのメールでも読む・送る
- Stripe支払いを見張り、起きたことを読む
- Google Analyticsサイトの訪問・ページ・イベントを読む(GA4)
- Google Search Console検索・クリック・インデックスの状態を読む。サイトマップを送り直す
- Bing Webmaster ToolsBing からの検索とクリックを読む。新しいページを知らせる
- kokuban's own browserAPI の無いサイト(管理画面、銀行の明細など)で、あなたがログインした状態のまま作業する
- MCP serversMCP サーバーの道具を使う(Linear、Notion、自分のものなど)
- Any other APIほかの HTTPS の API を、その鍵で呼ぶ
- Anthropic API keykokuban の AI を、Claude のサブスクリプションではなく API キーで動かす(ai.auth api-key)
画面を見る
画面はブラウザでも、見本のデータで動きます:デモを開く
入れ方
macOS と Linux:
curl -fsSL https://kokuban.sh/install | sh
Homebrew でも入れられます:
brew install init-co-jp/tap/kokuban
Windows(ベータ):
irm https://kokuban.sh/install.ps1 | iex
Windows では WSL2 をおすすめします。Linux 版がそのまま動き、AI の箱も効きます。
インストールのスクリプトは、落としたものをチェックサムで確かめてから ~/.local/bin に kokuban を置き、そのまま初期設定を始めます。初期設定では、PC に入っている AI ツールを見つけ、Chief of Staff があなたの仕事を聞き、Talent が最初の会社とその人たちを提案します(承認するまで何も作りません)。そのあとは kokuban と打てばチャットが開きます。
画面を閉じても動き続けるようにするには、kokuban daemon install で、ログインのときに起動するようにします(launchd・systemd・ログオン時のタスク)。
PC に作るもの
すべて 1 つのフォルダ ~/.kokuban に入ります(KOKUBAN_HOME で場所を変えられます。Windows では %USERPROFILE%\.kokuban)。設定と定義は KDL、長い文章は Markdown です。どれも $EDITOR で読んで直せて、kokuban が git に履歴を残します。
~/.kokuban/
├── kokuban.kdl 全体の設定
├── hq/ HQ(本部):Chief of Staff と、ほかを作る人たち
│ ├── members/ HQ の人への、あなたの変更(もとの定義はバイナリの中)
│ ├── workflows/<名前>/ HQ のワークフロー(Optimizer のものなど)
│ ├── connections.kdl 接続(鍵は入らない)
│ └── memory/ kokuban が覚えている、あなたのこと
├── companies/<会社>/
│ ├── company.kdl 会社の設定
│ ├── company.md 目的と方針
│ ├── members/<人>.kdl 名前・役割・アイコン・道具とモデル・接続・予算
│ ├── workflows/<名前>/
│ │ ├── workflow.kdl 手順・担当・始まるきっかけ
│ │ ├── rules/ 仕分けの規則(Optimizer が作ったものも)
│ │ └── scripts/ プログラム(Optimizer が作ったものも)
│ ├── connections.kdl
│ ├── skills/ SKILL.md
│ └── memory/
├── ui/ 画面(設定で組み立てる)
│ ├── defaults.kdl kokuban の既定(更新のたびに書き直す)
│ └── local.kdl あなたの上書き(更新しても残る)
└── local/ この PC だけ(共有しない)
├── machine.kdl この PC の名前・動かすワークフロー・守りの設定
├── kokuban.db 黒板:起きたことのすべて(SQLite)
├── sessions/ 続きから再開する AI の会話
├── state/ 予定と見張りの続きの位置
├── cache/ 消してもよい
└── logs/
鍵はこのフォルダには入りません。OS の金庫(macOS のキーチェーン、Linux の Secret Service、Windows の資格情報マネージャー)に入ります。
別の PC に移るときは、kokuban backup で定義と履歴を 1 つのファイルにまとめ(鍵は、パスフレーズを付けたときだけ入れます)、kokuban restore で広げます。
ほかのツールとの比較
調べた日は 2026-10-29 です。ほかのツールは、その後に変わっているかもしれません。
| kokuban | Paperclip | OpenClaw | Hermes Agent | Claude Code | Goose | Herdr | Claude Squad | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 一言 | ターミナルのひとり会社 | AI の会社の管理画面 | 常駐の個人エージェント | 自分で育つエージェント | コーディングエージェント | 汎用の自動化エージェント | エージェント向けのターミナル多重化 | エージェントの並列実行 |
| 主な画面 | ターミナルのチャット | Web | チャットアプリ | ターミナル・チャットアプリ・デスクトップ | ターミナル・デスクトップ・Web | CLI・デスクトップ | ターミナル | ターミナル |
| 動かすエージェント | PC にある CLI(今は Claude Code) | 何でも | 自前 | 自前 | 自前 | 自前 | 22 種の CLI | Claude Code・Codex など |
| 役割ごとのモデル | ○ | ○ | △ | ○ | ○(Claude のみ) | △ | △ | × |
| ワークフロー | ○ | ○ | △ | △(スキル) | ○(スクリプト) | ○(レシピ) | △ | × |
| 予定の実行・出来事での起動 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × |
| あなたのやること(受信箱) | ◎(主役) | ○(決裁) | × | × | △ | △ | △(状態表示) | × |
| 手順をプログラムに置き換える | ◎(自分で提案する) | × | × | △(スキル止まり) | △(手で) | × | × | × |
| トークンの記録・予算 | ◎(ワークフローごと) | ○(予算と自動停止) | ? | △ | ○ | ? | × | × |
| ローカル | ◎ | ○ | ○ | ○ | △(クラウドでも動く) | ○ | ○ | ○ |
| 外のチャットからの指示 | Slack | △(実験的) | ◎(20 以上) | ○ | ○ | × | × | × |
| 作り | Rust の単一バイナリ | TS・Node・Postgres | TS・Node | Python | 単一バイナリ | Rust | Rust | Go |
| ライセンス | Apache-2.0 | MIT | MIT | MIT | プロプライエタリ | Apache-2.0 | Apache-2.0 | AGPL-3.0 |
ライセンス・issue・参加のしかた
kokuban は Apache License 2.0 です。コードを公開しているのは、鍵を預かり、あなたとして操作するツールは、中身を確かめられることが信頼の前提だからです。
プルリクエストは受け付けていません。issue でお知らせください。変更は私たちが書きます。鍵を預かるツールの本体に外のコードを入れないため、設計をまとまったまま保つため、ライセンスを自分たちで決められるようにするためです。プラグイン・スキル・会社のひな形での参加は歓迎します。
支援
GitHub Sponsors で kokuban を支援できます。
支援:init-co-jp